父は生前、私の前では1度も言葉を荒げたことがなく、常に優しく接してくれる穏やかな人でした。母も仕事をしていたこともあり、積極的に家事全般にも関わっていました。休日には私たちの食事を用意してくれたことを今でも覚えています。システムエンジニアとして定年を迎えた後は本格的な料理が作れるようにと、調理器具をしっかり買い揃え、時には出勤する母のために早起きして朝食やお弁当を準備してくれたこともあったそうです。また、野菜が苦手だった私の子どもたちの食育になればと、畑を借りて野菜作りにも挑戦。ガンの発症で体調を崩した2年ほど前まで、母と一緒に野菜作りに汗を流していましたが、自宅で71年の生涯を静かに終えました。
サン・ライフのホールのことは、建物の前を通る機会も多かったため存在自体は知っていたのですが、「駅前にあるコンパクトなホールだな」という認識しかありませんでした。昨年の夏に祖母が亡くなった際、コロナ禍ということもあり身内のみの葬儀にピッタリな式場を探していたところ、サン・ライフを見つけて依頼。その時に対応していただいた根本さんや施設スタッフの森谷さんたちは自分の家族へ接するように寄り添っていただき、葬儀における家族の負担を軽減してくれました。そのことをよく覚えていましたので、父の葬儀も迷わずサン・ライフへ連絡しました。
2年前に亡くなった祖父の葬儀はサン・ライフとは別の葬儀社にお願いしたのですが、こちらの希望することがセレモニーに反映されず、正直言って私も母も後悔が残る葬儀になってしまいました。一方、サン・ライフはこちらが望むことをパーフェクトに実現。母も「祖父にしてあげられなかったことをイメージ通りにできた」と、とても感謝しています。
中でも、ドライアイスを使わずに体の状態を生前同様に保ってくれるエンバーミングには親族皆で感動を覚えました。2人とも闘病生活の疲れが表情に表れていたのですが、祖母の時は思わず「おばあちゃん、キレイ!」と感嘆の声を上げてしまったほど。父も闘病中に食事が取れないことが続き、頬もこけてしまった状態でしたが、エンバーミング後は家族皆の記憶にあるいつもの父の姿に戻っていました。
祖母と父の葬儀を担当してくださった根本さんは、私たちの想いを先取りして察してくれ、1言えば10動いてくれる「気遣いの固まり」のような人でした。”喪主様”や”施主様”という呼び方ではなく、私たちのことを名前で呼びかけてくださって、その親しみやすい人柄が今でも子どもたちに大人気です。
葬儀の前、自宅へお参りに来た方々からいただいた、たくさんの花を式場に持っていきたいと根本さんに相談しました。すると、式場の雰囲気に合うように美しく飾られていました。ただ飾るだけではなく、アレンジを加えてくれたその気遣いに感激しました。さらに、父の好物だったおはぎを子どもたちが中心となって作る機会を設けてくださった優しさには感謝の言葉しかありません。そのほか、お焼香や湯灌・納棺の方法など、日常生活では決して学ぶことができないことも時間をかけて丁寧に教えてくれ、子どもたちにとって将来の糧になる良い経験になったはずです。
短期間に大切な肉親を続けて亡くした悲しみはなかなか癒えることはありませんが、根本さんや森谷さん、サン・ライフスタッフの皆様のおかげで私も母も悔いの残らない見送りができました。本当にありがとうございました。